北海道経済同友会について

代表幹事のご挨拶

北海道経済同友会
代表幹事 石井 純二

 皆さん改めまして新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申しあげます。

 本日は新年の何かとお忙しい中、この様に多数の皆様のご出席をいただき誠にありがとうございます。また、本年度、新たに39名の方が会員になっていただいております。本日は一部の皆様にもご出席いただいております。皆様のご加入を歓迎申しあげますと共に、会員を代表いたしまして心より御礼を申しあげます。

 今年は、私ども北海道経済同友会にとりまして設立70周年という大きな節目を迎えます。6月に予定しております70周年記念式典をはじめ10月には東北・北海道ブロック会議を札幌で開催する予定であります。改めまして当会設立の趣旨に立ち返り、様々な活動を強力に展開し、北海道経済の持続的成長を実現すべく取組んで参る所存でありますので、会員各位の一層のご支援とご協力を宜しくお願い申しあげます。

 さて、新年早々、株式・為替市場は値動きが激しい展開となっており、本年の経済動向の不透明さ・不確実性を象徴するような展開になっていると思います。最初に本年の経済動向を展望してみますと、2019年の世界経済は、これまで牽引していた米中両国の減速によりリーマンショックの傷跡以降続いていた拡大基調が転換期を迎えることになるのではないかと思います。背景にありますのは、1つは米中貿易摩擦による世界経済への影響でありますが、この問題は単なる両国の貿易不均衡問題ではなく明らかに覇権主義の衝突に起因していると思われ、覇権争いは長期化し、今年1年を引きずる最大の問題であると考えます。そして、米中両国の景気の減速であります。米国は、財務拡張が終わる今年後半には減速に転じることが予想されており、中国経済も既に足下では米中貿易摩擦や債務調整により景気減速が明確な状況となっております。

 2つ目は、英国のEU離脱問題であります。3月29日という期日が目前に迫っている中で、混沌としており全く見通し難い情況にあります。最悪のケースに陥った場合には、世界経済に与える影響も大きなものになると思われます。

 一方、日本経済は只今申しあげました世界経済との連動性が強く底流にはその影響を受け、緩やかな減速は余儀なくされるものの、良好なファンダメンタルズの推移や政治的な安定性に加え、最も懸念される消費税増税の景気対策もあり、多くのエコノミストの予想通り実質で1%前後の成長率を確保できるものと考えております。

 また、北海道経済は、昨年の自然災害の復旧工事等の公共投資が牽引し、北海道二十一世紀総合研究所の試算によりますと、名目で1.9%、実質で0.6%の伸びを見込んでおります。

 この様な中で私ども経営者が取組まなければならない喫緊の課題は、3つに集約されると考えております。1つ目は、リスクへの耐久性を高める経営力の確立であります。只今申しあげましたとおり世界経済の不確実性が高まっており、その影響を北海道にいるわれわれも蒙ることを念頭に置かなければならないと思います。リーマンショックの時に米国で起きたサブプライム問題が瞬く間に世界中のあらゆる分野に甚大な影響を及ぼしたことを忘れてはならないと思います。

 2つ目は、事業承継への対応であります。先般、帝国データバンクからの発表によりますと、社長の後継者不在率は、北海道が全国一高く73.5%で全国平均より7ポイント高い状況にあります。M&Aを含めた事業承継の取組み強化や税制面を含めた環境整備に取組んでいかなければならないと思います。

 3つ目は、生産性向上と人手不足対策であります。IT・デジタル革新を通じたその積極的な活用や多様性のある人材活用が不可欠であります。最早すべての分野で、過去の延長線上で将来戦略を描くことは困難であり、未来を明確に見据えた将来戦略を構築することが重要であります。過去に拘束されたマネジメントは、時代の要請に応えることはできないと思うのであります。

 只今申しあげた状況認識の下で、足下の北海道が抱える課題すなわち人口減少・少子高齢化の問題、JR北海道の10路線13区間の単独では維持困難な問題をはじめとする交通問題、更には低料金での安定供給や自然エネルギーとのベストミックスのあり方に関わるエネルギー問題等、直面する課題を踏まえ、地域の持続的発展を目指した取組みを一層強化していかなければならないと考えております。北海道経済同友会は、本年度既に観光問題委員会・産業戦略委員会・環境問題委員会の3委員会と「北極海航路研究ワーキング」・「北海道の未来検討ワーキング」の2つのワーキンググループで、これ等の課題に対し、ファクトベースの分析を加えて精力的に議論を進めているところであります。本年設立70周年を迎える機会に提言としてまとめ公表したいと考えております。なお、皆様もご承知のとおり全国組織においても経済同友会は、国家100年の計で目指すべき社会像、日本の将来像を考えるべく「JAPAN 2.0   最適社会の設計」を、そして経団連は日本の社会をデジタル技術で課題を解決する「Society 5.0」を夫々提唱しているところであります。

 結びに、本年1年が皆様にとりまして素晴らしい意義ある年になりますことを祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

(1月22日 平成31年新年例会 挨拶から抜粋)

                                                                                                                                                                       以上