発行年月:2019年9月
近年の地球規模の気候変動を鑑みると、地球温暖化を抑止するため、化石資源エネルギー依存の社会から再生可能エネルギー中心の脱炭素社会へ移行していくことの緊急性は高まっています。
平成30年7月に見直された国の第5次エネルギー基本計画では再エネが主力電源と位置付けられ、経済活動においては事業に使う電力を100%再エネ由来として企業価値を高める動きが広がったり、環境に配慮した経営を行う企業への投資が活発化するなど、再エネの価値は急速に向上してきています。
豊富な再エネ資源がある北海道は「日本における再エネの宝庫」と言われ、平成13年には全国でも先駆的な省エネ、新エネを促進する条例が施行されています。北海道が再エネの供給地という優位性によって豊かになっていく可能性が感じられます。
再エネ資源は将来にわたって枯渇せず地域に根ざしたものですから、多様な資源をうまく活かした地域の活性化方策を考え、希望のある北海道の未来の基軸づくりに少しでも繋げていくことは、再エネ活用がますます拡大していく時代である今こそ大事ではないか。そのような認識のもと、当委員会では再エネの現状を把握するとともに、道内各地の成功モデル、すなわち再エネを活用した事業が産業や生活にプラスの効果をもたらし、地域創生に繋がっている事例に触れて、そのポイントを日ごろ経営に携る視点から検討してきました。
このたび委員会活動の区切りとして提言をとりまとめましたので、会員各位並びに関係者各位のご高覧をいただければ幸甚に存じます。
委員会でご講演を頂いた講師の方々はじめ、現地視察にご協力いただいた自治体、企業の関係者の皆様に感謝申し上げます。