北海道地域活性化委員会2025

発行年月:2025年5月

人手不足をどう克服するか

 昨今の北海道経済は新型コロナの感染症法上の5類移行に伴うインバウンドの回復により観光産業等が堅調に推移していることに加え、次世代半導体製造工場の進出やGX関連の大型投資が、道内経済の持ち直しをより一層後押しすると見られます。 
 その一方、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少に伴い、北海道ではコロナ禍以前から人手不足の状況が続いていたことに加え、「2024年問題」が道内の各種経済活動に与える影響が懸念されております。
 こうした状況を踏まえて、北海道経済同友会「北海道地域活性化委員会」では、特に人手不足が深刻な北海道の基幹産業を支える「人流(観光)」と「物流」に焦点を当てて、「道内事業者が抱える人手不足への対応」について、外部有識者の講話と委員による議論をすすめてきました。

 このたび委員会活動の区切りとして委員会報告「人手不足をどう克服するか」を取り纏めました。
 報告では、北海道で深刻化する人手不足を克服するために、以下の施策をポイントとしてあげました。

【人手の確保】
 「従業員の心理的安全性確保」を通じて、従業員のエンゲージメントを高め、離職率の改善のみならず、多様な人材の受け入れとパフォーマンス向上を図る
【システム・仕組みの改善】
 (1)既存業務の見直し・デジタル活用による業務効率化・省人化
 (2)物流面での協働(共同)・インフラの標準化等
各施策を推進するにあたっては、「個社」「複数社の連携」「地域や業界全体での取り組み」それぞれの課題レベルにあわせた取り組みが必要であります。

 本報告が人手不足に悩む道内外の様々な関係者の取り組みのヒントとなり、その活動の後押しとなれば幸甚に存じます。
 本委員会でご講演を頂いた講師の方々に深く御礼申し上げます。

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